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グループの力を最大化し、ステートメントの実現に向けて歩む

パシフィックコンサルタンツホールディングスが目指すもの

設立以来、70年以上にわたって、さまざまな社会インフラの整備に貢献し、誰もが安心して暮らせる持続可能な社会の実現に向けて歩みを進めてきたパシフィックコンサルタンツグループ。2026年1月に、新たにパシフィックコンサルタンツホールディングス株式会社を設立し、新たなグループ事業ポートフォリオマネジメントに踏み出しました。代表取締役に就任した大本修にその狙いと代表としての思いを聞きました。

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私たちは時代の大きな転換点にいる

――なぜ今、パシフィックコンサルタンツホールディングスを設立したのか、その背景を教えてください。

大本:ひとことで言えば、今私たちが直面しているかつて経験したことのない時代の大きな変化に対応し、未来を切り拓くためには、グループ全体の価値を最大化しなければならないからです。そのためには、従来の発想や手法にとらわれていることはできません。これまでグループの経営戦略はグループの中核事業会社であるパシフィックコンサルタンツが決定してきました。パシフィックコンサルタンツは70年以上の歴史と実績を誇る会社であり、だからこそ下せる判断もありますが、他方で事業会社であるために視野が狭くなったり、これまでの発想や手法から抜け出せないという面があることは否定できません。

グループにふさわしい事業ポートフォリオを構築し、グループ全体の価値を最大化するためには一段高い視点から全体を見渡して、グループとしての経営戦略を練り上げていく必要があると考えました。これまでは、パシフィックコンサルタンツが事業会社とグループのまとめ役を、いわば"兼務"していたわけで、それを切り離す必要があると考えました。

 

――それだけ今の時代は困難が大きいということですね。

大本:ロシアの軍事侵攻に始まったウクライナとロシアの戦争は、4年目を迎えてもなお続いています。中東でも停戦の合意こそ結ばれましたが、いぜん戦闘が続き政情は不安定なままです。

また、気候変動に伴う異常気象は世界で洪水被害や山火事などを引き起こし、災害の激甚化・頻発化が年を追って顕著になっています。加えて日本では、人口減少と少子高齢化が予想を超えるスピードで進行し道路や橋、トンネル、上下水道などの社会インフラの老朽化も進んでいます。2025年の秋以降、野生のクマによる被害が急激に増加し深刻化しています。私はこれも一定の地域に限られた時事的なトピックではなく、気候変動や林業の衰退による山林の荒廃、地方の過疎化や高齢化など、今の日本の状況を象徴するさまざまな要素が組み合わさって起きていることだと思っています。

 

――確かに、クマによって日常の暮らしが脅かされる事態など、1年前には想像もできませんでした。

大本:それほど急速に時代は変わりつつあり、これから何が起こるのか、予想もできないという状況があるわけです。このまま10年、20年が経過したらどうなるのか。一部の大都市を除く多くの地方都市が、存続すら危ぶまれる事態に陥るのではないかと思います。

 

――社会インフラ整備を中心に70年以上にわたって貢献してきたパシフィックコンサルタンツとして、強い危機感を抱かざるを得ないということですね。

大本:そうです。私たちは「未来をプロデュースする」というビジョンを掲げ、「世界中の誰もが脅かされない、格差がない豊かなくらしの実現と、すべての生命の源である美しい地球の環境を守り未来へ引継ぐことを両立する」というステートメントの実現のために事業活動を進めています。そのためにも、新たなステージに立って行動しなければなりません。

パシフィックコンサルタンツホールディングス株式会社 代表取締役 大本修

事業会社とグループ統括会社の"兼務"は難しい

――そのためにもパシフィックコンサルタンツホールディングスの設立が必要だったということですね。

大本:パシフィックコンサルタンツは70年以上、建設コンサルタントとして事業を推進してきた組織です。

発注者の意図を理解し、その要請に沿って専門技術者の観点からインフラ整備に関する基本計画や基本設計、実施設計、施工管理や維持管理、運営などを担ってきました。高速道路や新幹線、空港、港湾、河川、上下水道施設、廃棄物処理施設、駅前広場整備、防災、まちづくりなど、一つひとつ上げていけばきりがないほど、さまざまな成果を残しています。

また、環境関連事業、官民連携手法の開発と推進、DXの推進などにもいち早く取り組み、実績を残してきました。その中で、パシフィックコンサルタンツは、事業規模や事業領域を拡大し、多くの事業会社をグループに加えてきました。現在グループは17社で構成され、パシフィックコンサルタンツが事業持株会社としてグループ経営戦略を検討し、事業ポートフォリオをマネジメントしています。

自らも事業を進めながら、同時にグループとしての戦略を検討し、グループ各社の個別事業も管理しているわけです。パシフィックコンサルタンツは組織の規模も大きく、人材も豊富ですから、出来てはいます。しかし一方で、グループ全体の戦略を考えるときに、自らの建設コンサルタントとしての事業が優先されたり、長年公共を中心にさまざまな要請に応えてきた事業会社としての視点によって、事業の発想や手法などの判断が偏ったり、視野が狭くなるなどの限界も見えてきました。

グループとしての戦略を明確にし、事業会社にリソースを適切に配分し、グループ全体の価値を最大化するには、一段上でグループを俯瞰する視点が必要であり、純粋持株会社としてのホールディングス設立が必要だと考えました。個々の事業会社がグループ内でどのような役割を果たし、ステートメントの実現にいかに貢献していくのか、その戦略はパシフィックコンサンルタンツが考えるのではなく、各事業会社の上に立つホールディングスが検討します。

 

――ホールディングスの社名にパシフィックコンサルタンツを残したのはどういう理由ですか?

大本:世の中には、まったく新しい社名を冠するホールディングス会社もありますが、パシフィックコンサルタンツの名前は引き続き使いたいと思いました。パシフィックコンサルタンツという会社の知名度は、一般社会では決して高いとはいえませんが、インフラの設計や施工、維持管理の世界では多くの人に認知されています。この70年以上をかけて先輩たちが築いたブランドは受け継いでいくべきだと考えました。もちろん、新たなホールディングス会社は、建設コンサルタントの枠にとらわれない発想や手法へと広げていくことが重要ですが、それは各事業会社の事業内容として、明確に示していけば良いと考えています。

国際事業会社や新規事業会社を設立

――具体的に何をやっていきますか?

大本:パシフィックコンサルタンツが担っているインフラエンジニアリングの推進は、グループが果たす役割の重要な核です。私たちならではの多分野を網羅する総合的な技術力を活かし、それを統合した最適なソリューションサービスをこれまで通り、あるいはこれまで以上に提供していきます。それは変わりません。しかし、その枠の中にとどまっていたら、私たちのビジョンもステートメントも実現することはできないと思います。

新しい発想、新しい枠組みの中で、私たちが目指す未来を実現していきたい。当然、パシフィックコンサルタンツにもその一翼を担ってもらいます。国際事業会社の設立はすでに具体的に動き出していますし、新規事業についても多くのアイデアがあり、速やかに事業会社の設立につなげていきます。

 

――設立から75年を迎えるなかでの大きな転換だと思います。大本さんの想いを聞かせてください。

大本:1951年の米国法人としての設立から数えて70年以上が経過しています。先輩たちは戦後の焼け野原の中、新興の日本を建設するという強い使命感に燃えて激動期を懸命に歩んできました。その貴重な財産を私たちは受け継いできているわけです。そして今という時代は、ある意味では創立期にも等しい時代の変革期といえるのではないでしょうか。

この時代を生き抜いて、新たな社会を築くためには、私たちはあらためて創立期を担った人々の思いを受け継ぎ、次の変革のためのエネルギーに変えていく必要があると思います。困難な時代ですが、言い方を変えれば、大いに挑戦のしがいのある時代でもあります。そういう時代に生まれ、その先陣に立つひとりとなることに感謝しながら、従業員やすべてのステークホルダーの皆さんとともに新たな一歩を踏み出したい。グループの力を最大化し、ステートメントの実現に向けて未来を切り拓いていきます。

大本 修

OMOTO Osamu

パシフィックコンサルタンツホールディングス株式会社
代表取締役

1996年パシフィックコンサルタンツ株式会社入社。本社業務推進部長、九州支社長などを経て2016年取締役就任。2022年10月より代表取締役社長。2026年1月よりパシフィックコンサルタンツホールディングス株式会社 代表取締役就任。信条は「着眼大局着手小局」。大きい目標を目指しながらも、確実に取り組む姿勢を心掛ける。パシフィックコンサルタンツ株式会社 代表取締役社長執行役員、建設コンサルタンツ協会 会長。

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