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新たな一歩を踏み出したパシフィックパデコインターナショナル

グループの総合力を活かして国際市場に挑む

2026年10月1日、パシフィックパデコインターナショナルが、パシフィックコンサルタンツグループの新たな国際事業会社としてスタートしました。2023年にグループの一員となったパデコと、パシフィックコンサルタンツのグローバルカンパニーが一つになって生まれた新しい会社です。国内事業会社であるパシフィックコンサルタンツとともにグループを牽引することになるパシフィックパデコインターナショナルがどのような価値を提供し、何を目指すのか。代表取締役社長執行役員に就任した石河雅典に話を聞きました。

INDEX

グループの国際事業を担う新会社が始動

――いよいよ新しい国際事業会社のスタートです。どのような考えから発足したのでしょうか。

石河:パシフィックコンサルタンツは、1969年に海外業務を専門に担うパシフィックコンサルタンツインターナショナル、PCIを設立し、国際事業を展開してきました。その後、PCIは順調に業績を拡大、1990年代には世界トップクラスの国際コンサンルタントに伍して付加価値の高いコンサルティングサービスを展開していました。とくにPMM(Program Management:プロジェクト群の一貫した管理)やPM(Project Management)、FM(Facility Management)といった独自のマネジメント手法は高い評価を獲得、業績を大きく伸ばしました。

その後、いったん海外事業から退きましたが、コンプライアンスの強化や組織改革を進め、改めてパシフィックコンサルタンツ内に国際事業部を設立、2018年にはグローバルカンパニーへと発展させ、再び海外事業に取り組んできました。そして2023年、海外事業で40年以上の歴史を持つパデコがグループに加わりました。パデコとパシフィックコンサルタンツのグローバルカンパニーは、それぞれ異なる強み、得意分野、仕事の進め方を持っています。この違いを消すのではなく、一つに重ね合わせることで、これまでにない力を生み出すことができると考え、パシフィックパデコインターナショナルを発足しました。

――今、海外市場はどういう特長がありますか。

石河:地域によって状況は異なりますが、東南アジアでは、円借款事業を通じた従来型のインフラ整備に加え、自然災害や気候変動への対応、国土や都市の再編など、求められる課題が変化しつつあります。現在、大きな課題となっているのは、激甚化する自然災害から人々の生命と暮らしをどう守るか、気候変動や海面上昇などを踏まえて国土や都市をどう守り、再編していくかということです。求められているのは、生活を便利にするためのインフラ整備にとどまりません。防災・減災を含め、人々の生命や暮らしを守り、国や社会の基盤を長期的につくっていくことです。

また、国や地域によっては、教育の質の向上や人材育成を通じて、持続的な社会の基盤をどう築くかも重要な課題です。インフラと人づくりの両面から社会課題に向き合うことが、これまで以上に求められています。

総合的な解決策を導く

――パシフィックパデコインターナショナルが貢献できることは少なくありませんね。

石河:今こそ、パシフィックコンサルタンツグループの総合力を活かせると考えています。都市の移転や再編を検討する場合、鉄道や道路といった個別のインフラ整備だけでは十分ではありません。防災や気候変動への適応、TOD(Transit Oriented Development:公共交通指向型都市開発)など、多様な技術や知見を組み合わせながら、構想段階から実現、維持管理まで、地域全体の課題に総合的に向き合うことが求められています。

パシフィックコンサルタンツには、防災・減災、交通、都市開発、インフラマネジメントなど、日本国内で長年にわたり培ってきた技術力と実績があります。一方でパデコには、40年以上にわたり国際事業に取り組んできた経験があり、特に教育や人づくりの分野で強みを発揮してきました。バングラデシュでは長年にわたり教育分野のプロジェクトに携わり、人材育成や教育制度の改善に取り組んできましたし、エジプトでは日本式教育の考え方を活かした教育改革にも貢献しています。

パシフィックパデコインターナショナルは、こうしたパデコの国際事業の経験と、パシフィックコンサルタンツグループの技術力や総合力を組み合わせることで、国や地域ごとの課題に応じた価値を提供できる会社だと考えています。

パシフィックパデコインターナショナル株式会社 代表取締役社長執行役員 石河雅典

パシフィックパデコインターナショナルが目指す企業像

――パシフィックパデコインターナショナルをこれからどういう企業にしていきたいと考えていますか。

石河:パシフィックパデコインターナショナルは、二つの組織を単に一つにした会社ではありません。それぞれが培ってきた経験、技術、人材を結集し、新たな価値を生み出すために発足した、新しい一つの会社です。これまでの取り組みを引き継ぎながら、グループとしての力を背景に、事業の幅を広げていきます。JICAをはじめとする国際協力分野の案件に加え、他の国際的なドナーや現地政府からの受託案件、民間企業との連携によるプロジェクトなど、さまざまな形を組み合わせて事業を展開していきたいと考えています。さらに、アジアやアフリカだけでなく、ヨーロッパの先進国を含む新しい市場にも挑戦していきます。

国や地域によって異なるリスクを慎重に見極めながら、現在拠点のない国については、M&Aによって現地企業をグループに迎え、現地法人として経営していくことも、将来の選択肢の一つとして考えています。これまでは経営に踏み込んで取り組んだことはありませんでしたが、そうしたことも含めて、世界を股にかけて活躍する企業体にしていきたいと考えています。

もちろんそのためにはパシフィックパデコインターナショナルの一人ひとりが同じ方向に向かって力を結集しなければなりません。全員が同じ志を持って進んでいけるように対話を重ねていきたいと思いますし、それも私の大きな仕事です。さらに、グループ内の多様な技術や人材とも連携し、国際事業に挑戦したい人が力を発揮できる会社にしていきたいと考えています。新会社の人材だけでなく、グループ全体の力を結集し、国際事業を成長させていきます。

パシフィックパデコインターナショナルの従業員に望むもの

――異なる文化のなかで仕事をし、成長してきた人が集まる会社です。力を結集することが大切ですね。

石河:文化が違い、育ってきた環境が違う組織のメンバーが理解し合うのは簡単なことではありません。得意分野や仕事の進め方も違います。それぞれの良さを活かしながら、一つの組織として力を発揮できるようにしていくことが大切だと思っています。私は、従業員は会社の強固な地盤をつくる存在だと考えています。地盤は、異なる大きさや性質を持つ粒子が互いに噛み合うことで強さを生み出します。組織も同じで、さまざまな個性や能力、経験を持つ人材が互いを理解し、それぞれの強みを発揮することで大きな力になります。プロスポーツのチームでも、突出した能力を持つ選手ばかりを集めれば強くなるというものではありません。それぞれ異なる役割や強みを持った人が力を発揮し、噛み合うことで、チームは本当の強さを持つことができます。私が目指しているのは、そのような有機的な一体感を持った組織です。

――パシフィックパデコインターナショナルが大切にすべき価値観はどのようなものだと考えますか。

石河:私は3つのCで表現できると思っています。Challenge(挑戦)、Contribution(社会への貢献)、そしてCo-Creation(共創)です。自ら限界を決めずに挑戦すること。世界の社会課題解決に貢献すること。そして、多様な人材やパートナーと共創することです。

この3つの価値観を共有することで、多様性を強みに変え、新しい価値を生み出す組織でありたいと考えています。従業員がお互いのことをよく理解して、それぞれの強みを知ることができれば、多様性を活かした強い組織になることができます。その意味では自分で自分の限界を決めてしまうことのないようにしてほしいと思っています。ここが限界と足を止めてしまったら、それ以上の成長はありません。諦めずにものごとに取り組んでいくという精神を持ち続けることが大切です。

人はいろいろな可能性を持っています。個性もあります。その可能性や強みは、自分では気付きにくいものです。一人ひとりの可能性や強みを引き出すためには、さまざまな業務や役割に挑戦できる機会をつくることも重要です。本人との対話を重ねながら、何がその人に合っているのか、どのような場で最も力を発揮できるのかを見極め、人材の可能性を伸ばしていきたいと考えています。多様性のある組織ですから、それを十分に活かせるようにして、全員で課題に向き合うことができる組織づくりを進めます。まず話を聞くこと、そしてお互いを理解し合うこと、その機会を積極的につくっていきたいですね。

――石河さんにとっても新しいチャレンジの始まりです。

石河:私は35年間、パシフィックコンサルタンツで主に国内事業に携わってきました。国際事業は私自身にとっても新しい挑戦ですが、未知の領域だからこそ、挑戦する意義があると感じています。海外事業の第一線で長年活躍してきた仲間たちとともに、それぞれの経験と力を結集し、新しい価値の創造に取り組んでいきます。

パシフィックパデコインターナショナルを、グループの国際事業を牽引し、世界の社会課題解決とグループの持続的な成長に貢献する存在へ育てていきたいと考えています。将来的には、国内事業を担うパシフィックコンサルタンツと肩を並べる存在を目指します。

――皆さんの活躍に期待しています。

石河 雅典

ISHIKAWA Masanori

パシフィックパデコインターナショナル株式会社
代表取締役社長執行役員

1991年パシフィックコンサルタンツ株式会社入社後、港湾分野でキャリアを積む。同社国土基盤事業本部長、執行役員、取締役常務執行役員などを歴任したのち、2026年10月よりパシフィックパデコインターナショナル株式会社代表取締役社長執行役員に就任。「率先垂範」の精神のもと、何事もまず行動し、自分の目で見て確かめることをモットーとしている。

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